おはようございます! 今回紹介するのは、東証プライム市場に上場しているリンクアンドモチベーション(2170)です。
会社名だけを見ると、社員のやる気を高めるために「今日も頑張ろう!」と声をかけてくれる会社を想像するかもしれません。
もちろん、企業のモチベーション向上を支援する会社なのですが、実際にはコンサルティングやクラウドサービス、人材採用支援などを手掛けています。
企業のモチベーションを高めるだけでなく、株主のモチベーションまで高めてくれるのか。投資家目線で詳しく見ていきましょう!
リンクアンドモチベーションの事業内容
リンクアンドモチベーションは、独自の「モチベーションエンジニアリング」という考え方を活用し、企業や個人の成長を支援しています。
主な事業は、次のとおりです。
① コンサルティング・クラウド事業
企業の組織づくりや人材育成、社員のエンゲージメント向上などを支援する事業です。
代表的なサービスが「モチベーションクラウド」です。従業員への調査などを通じて組織の状態を把握し、組織改善につなげます。
会社に対して「社員のやる気が足りません!」と精神論をぶつけるのではなく、データを活用して組織の課題を見つけ、改善を支援するわけです。
人材不足が深刻化するなか、社員が長く働きたいと思える職場づくりは企業にとって重要な課題です。こうした需要が同社の成長につながる可能性があります。
② 採用支援事業
企業の採用活動を支援するサービスも展開しています。
2026年には「モチベーションクラウド エントリーマネジメント」の提供を開始しました。
適性検査やWeb面接機能などを活用し、企業が求める人材の採用や採用業務の効率化を支援します。
人手不足の時代、企業にとって人材の確保は死活問題です。採用活動を効率化するサービスには、今後も需要が期待できます。
③ 個人向けサービス・その他の事業
個人向けのキャリアスクールや学習塾、人材紹介などの事業も手掛けています。
また、企業のIR資料制作などを支援するIR支援事業も展開しています。
このように、企業の組織づくりから採用、個人の学習支援まで、幅広い分野で事業を展開しているのが特徴です。
リンクアンドモチベーションの業績
それでは、投資するうえで重要な業績を確認しましょう。
2026年12月期第2四半期の連結業績は、売上収益が前年同期比11.7%増、営業利益が同2.2%増となりました。
| 項目 | 2026年12月期第2四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 222億6,900万円 | +11.7% |
| 営業利益 | 32億3,400万円 | +2.2% |
| 税引前利益 | 32億4,800万円 | +1.3% |
| 親会社の所有者に帰属する中間利益 | 18億2,300万円 | +1.4% |
※2026年12月期第2四半期の公表数値に基づきます。
売上収益は2桁成長を達成しています。一方、営業利益の伸びは2.2%にとどまっており、売上の伸びほど利益が増えていない点には注意が必要です。
売上が増えても、費用がそれ以上に増えてしまえば利益は伸びません。会社の規模が大きくなるだけでなく、しっかり利益を残せるかどうかが今後の注目ポイントです。
モチベーションクラウドが成長を牽引
業績を支えているのが、モチベーションクラウドを中心とするクラウドサービスです。
2026年6月末時点のモチベーションクラウドの月会費売上は、前年同期比で21.3%増加しました。
会社側は、2026年12月末の月会費売上計画を従来の7億円から7億3,000万円へ上方修正しています。
毎月の利用料が積み上がるクラウドサービスは、継続利用が進めば安定した収益につながりやすいビジネスです。
ただし、契約の継続率や新規顧客の獲得状況、サービス開発にかかる費用なども確認する必要があります。
売上の成長が利益の成長につながるか、今後の決算にも注目です。
リンクアンドモチベーションの株主優待
株主優待を重視する投資家にとって、見逃せないのがデジタルギフトです。
同社は2026年8月に株主優待制度の拡充を発表しました。2026年12月末基準の優待から、従来の進呈金額を10%増額する内容です。
株主優待の基本情報
| 優待内容 | デジタルギフト |
|---|---|
| 権利確定月 | 6月・12月 |
| 対象株主 | 1,000株以上を1年以上継続保有 |
| 優待回数 | 年2回 |
| 優待拡充の開始 | 2026年12月末基準分 |
注意したいのは、1,000株以上という条件です。
100株や500株では対象にならず、1年以上の継続保有も必要です。
株主優待があると聞いて飛びついたものの、必要な株数を確認していなかった……ということにならないよう、購入前にチェックしておきましょう。
株主優待でもらえる金額
拡充後の優待金額は、保有株数と継続保有期間によって変わります。
| 保有株数 | 1年以上2年未満 | 2年以上3年未満 | 3年以上5年未満 | 5年以上 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000株以上2,500株未満 | 2,750円/回 | 5,500円/回 | 8,250円/回 | 11,000円/回 |
| 2,500株以上5,000株未満 | 6,875円/回 | 13,750円/回 | 20,625円/回 | 27,500円/回 |
| 5,000株以上10,000株未満 | 13,750円/回 | 27,500円/回 | 41,250円/回 | 55,000円/回 |
| 10,000株以上15,000株未満 | 27,500円/回 | 55,000円/回 | 82,500円/回 | 110,000円/回 |
| 15,000株以上20,000株未満 | 41,250円/回 | 82,500円/回 | 123,750円/回 | 165,000円/回 |
| 20,000株以上 | 55,000円/回 | 110,000円/回 | 165,000円/回 | 220,000円/回 |
※上記は拡充後の1回あたりの優待金額です。年2回のため、年間金額は原則として表の2倍です。対象条件や継続保有期間の判定については、会社の公式情報をご確認ください。
例えば、1,000株を1年以上2年未満保有している場合、年間5,500円分のデジタルギフトがもらえます。
5年以上保有すれば、年間22,000円分に増額されます。
さらに、20,000株以上を5年以上保有した場合は、年間44万円分という大きな金額になります。
ただし、優待額を増やすためだけに大量の株を購入するのはおすすめできません。株価の下落によって、優待でもらう金額以上の損失が発生する可能性があるためです。
デジタルギフトの交換先
デジタルギフトは、さまざまな電子マネーやポイントなどに交換できます。
- QUOカード
- QUOカードPay
- dポイント
- Amazonギフトカード
- au PAY ギフトカード
- Google Play ギフトコード
- U-NEXTギフトコード
- 図書カードNEXT
- 各種暗号資産など
交換先は変更される可能性があります。また、PayPayマネーライトへの交換には5%の手数料がかかるため、交換先を選ぶ際は注意しましょう。
普段使っているポイントや電子マネーに交換できれば、使い道に困りにくいのが魅力です。
ただし、交換先によって手数料や利用条件が異なるため、受け取り時に確認することをおすすめします。
株主優待の注意点
- 1,000株以上の保有が必要
- 1年以上の継続保有が必要
- 6月末・12月末の年2回が基準日
- 株主番号が変わると継続保有期間がリセットされる場合がある
- 優待の交換先や内容は変更される可能性がある
特に、継続保有期間の判定には注意が必要です。株式をすべて売却した場合や、証券会社を変更した場合などは、株主番号が変わって保有期間がリセットされる可能性があります。
優待目的で長期保有する場合は、売買や口座変更の前に公式情報を確認しましょう。
リンクアンドモチベーションの配当金
続いて、配当金を確認します。
同社は株主への利益還元を重視しており、2026年12月期は年間16.4円の配当を予想しています。
| 決算期 | 1株あたり年間配当 |
|---|---|
| 2022年12月期 | 7.7円 |
| 2023年12月期 | 11.3円 |
| 2024年12月期 | 12.2円 |
| 2025年12月期 | 16.0円 |
| 2026年12月期(予想) | 16.4円 |
※1株あたりの年間配当。2026年12月期は会社予想であり、今後変更される可能性があります。
過去数年の配当を見ると、増配傾向にあることがわかります。
2022年の7.7円から2026年予想の16.4円まで増えており、配当を重視する投資家にとっては注目したいポイントです。
配当利回りはどれくらい?
配当利回りは、株価によって変わります。
仮に株価600円で購入した場合、年間配当16.4円をもとに計算すると、配当利回りは約2.73%です。
| 項目 | 金額・利回り |
|---|---|
| 仮定する株価 | 600円 |
| 年間配当予想 | 16.4円 |
| 配当利回り | 約2.73% |
※株価600円を仮定した試算です。実際の株価や配当利回りを示すものではありません。
配当利回りだけを見ると、いわゆる高配当株と呼ばれる銘柄ほどの水準ではありません。
一方、同社には株主優待もあります。ただし、優待を受け取るには1,000株以上を1年以上保有する必要があるため、配当と優待の合計利回りを計算する際には注意が必要です。
また、2025年12月期は配当性向が100%を超えていました。今後も増配を続けられるかどうかは、利益の成長とキャッシュフローを確認しながら判断したいところです。
リンクアンドモチベーションの今後の見通し
今後の成長を考えるうえで、注目したいポイントを3つ紹介します。
① モチベーションクラウドの成長
まず注目したいのが、モチベーションクラウドの成長です。
企業にとって、人材の採用や定着、社員のエンゲージメント向上は重要な経営課題です。
人手不足が続けば、社員が働きやすい環境を整えることや、組織の問題を早期に把握することの重要性は高まります。
同社のクラウドサービスが企業に広く導入され、継続的な利用につながれば、安定した収益基盤の拡大が期待できます。
ただし、競合サービスとの競争や企業のIT投資動向には注意が必要です。
② AIサービスによる成長余地
2026年8月には、AIエージェントとしてマネジメント業務を支援する「モチベーションクラウド マネジメント」をリリースしました。
さらに、同社は生成AI関連サービスを展開するSELF株式会社の完全子会社化に向けた株式交換契約を締結しています。
SELF社の「SELFBOT」をモチベーションクラウドに加えることで、顧客の情報活用や業務効率化を支援する方針です。
AIの活用によってサービスの価値が高まり、既存顧客への追加販売や新規顧客の獲得につながれば、今後の成長を後押しする可能性があります。
ただし、AI関連サービスは競争が激しい分野です。新サービスを発表しただけで業績が伸びるとは限りません。実際の導入状況や収益への貢献を確認することが大切です。
③ 利益成長と株主還元の両立
同社は2026年2月に、取得金額の上限を60億円とする大規模な自己株式取得を発表しました。取得は2026年9月に終了しています。
また、株主優待の拡充や増配予想など、株主還元にも積極的です。
自社株買いは、発行済み株式数の減少などを通じて、1株あたりの利益や資本効率の改善につながる可能性があります。
ただし、自社株買いは一度実施すれば終わりです。継続的な株価上昇を期待するには、事業そのものが成長し、利益を増やせるかどうかが重要になります。
株主への還元を続けながら、将来の成長に必要な投資も行えるか。ここが今後の重要なチェックポイントです。
リンクアンドモチベーションの良い点
- ① モチベーションクラウドを中心に、継続収入が期待できるクラウド事業を展開している
- ② 人材不足や社員の定着といった企業の課題を解決するサービスを提供している
- ③ 2026年12月期は年間16.4円の配当を予想している
- ④ デジタルギフトの株主優待があり、2026年12月末基準分から拡充される
- ⑤ AIサービスの拡大やSELF社の子会社化による成長余地がある
リンクアンドモチベーションの悪い点・注意点
- ① 株主優待の対象になるには1,000株以上を1年以上保有する必要があり、少額投資では参加しにくい
- ② 2026年12月期第2四半期は売上収益が11.7%増加した一方、営業利益の伸びは2.2%にとどまっている
- ③ 2025年12月期の配当性向は100%を超えており、利益の伸びが鈍い場合は増配余力に注意が必要
- ④ AIやクラウドサービスの競争が激しく、今後も現在の成長率を維持できるとは限らない
- ⑤ 株主優待や自社株買いが魅力的でも、株価が割高であれば投資成果が悪化する可能性がある
リンクアンドモチベーションは投資すべきか?
リンクアンドモチベーションは、企業の組織づくりを支援するクラウドサービスを軸に成長を目指す企業です。
2026年12月期第2四半期は増収増益となり、クラウドサービスの成長も続いています。さらに、AI関連サービスの拡大やSELF社の子会社化によって、今後の事業展開にも期待が持てます。
株主還元では年間16.4円の配当を予想し、株主優待も拡充しています。
一方、優待を受け取るためには1,000株以上を1年以上保有する必要があります。また、売上の伸びに対して利益の伸びが小さい点や、過去の配当性向が高かった点も確認しておきたいところです。
そのため、優待だけを目的に購入するのではなく、事業の成長性や利益率、株価水準を総合的に判断したい銘柄です。
特に、クラウドサービスの売上成長が利益の拡大につながるかどうかは、今後の決算で継続して確認したいポイントです。
まとめ
リンクアンドモチベーションは、企業の組織づくりや人材採用を支援する会社です。
2026年12月期第2四半期は売上収益が前年同期比11.7%増、営業利益が同2.2%増となりました。売上は順調に伸びていますが、今後は利益の成長がどこまで加速するかに注目です。
株主還元では、年間16.4円の配当を予想。さらに、2026年12月末基準分から株主優待が拡充され、保有株数や継続保有期間に応じてデジタルギフトがもらえます。
ただし、優待を受け取るには1,000株以上を1年以上保有する必要があります。優待につられて購入したら、必要な投資金額が想像以上だった……ということもあり得ます。
投資する際は、優待の金額だけでなく、配当、業績、株価水準をしっかり確認しましょう。
今後はモチベーションクラウドの成長に加え、AI関連サービスがどこまで収益に貢献できるかも見どころです。
社員のモチベーションを高める会社が、株主のモチベーションまで高めてくれるのか。今後の業績と株主還元に期待しながら、引き続きチェックしていきたい銘柄です!


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